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ザ・ガーデンテラス目黒

2018
東京都品川区

都心で生き物の気配を感じながら暮らす

 地上19階、総戸数108戸、DINKSからファミリーまでを主なターゲットとした分譲高層集合住宅のためのランドスケープデザインである。北側に目黒川が隣接するという敷地特性を生かし、全住戸北向き配置とし、建築をセットバックすることで目黒川との間にオープンスペースを最大限確保して、都心にありながら緑豊かな潤いある生活が享受できる環境の創出を目指した。
 屋外空間は主に3つの空間から構成されている。限られた空間の中でパブリックとプライベートを段階的に区切りながら、全体としては一つの緑の景として繋がっていくことを意図した。
 『アプローチガーデン』は緑のトンネルを抜けてエントランスへと誘う空間となる。特徴的な自然石の割石を配置することにより、アプローチに奥行き感を与えるとともに、個性と高級感を演出している。品川区指導による公的空間「憩いの場」を兼ねており、景石の一部を平らにしてベンチにしたり、ショートカットのための動線を設けたりしている。
 『プライベートガーデン』は住人専用の空間で、ラウンジガーデン(ラウンジから眺めるスペース)と、ガーデンテラス(ラウンジから出て緑の中でくつろげるスペース)から成る。ラウンジガーデンには景石と同じ花崗岩で作った大型のバードバスを配置して、水の揺らめきや訪れる野鳥の姿を楽しめるようにした。ガーデンテラスにはゆったりとした屋外用ソファとテーブルを設け、住人同士が緑の中で談笑できるスペースとしている。
 『サクラコリドー』は目黒川沿いのサクラ並木と一体となった公共歩道空間である。周辺地域植生に配慮しながら、在来種を基調に花や実のなる植物を多く取り入れる植栽計画とし、鳥類や昆虫の飛来を促しながらいきものの気配が感じられる住環境の創出を目指し、第3回いきもの共生事業所®(ABINC)の認証を取得した。平成30年度には品川区のみどりの顕彰制度である「緑化賞」を受賞している。

掲載:日本造園学会ランドスケープ作品選集2020No.15

受賞:2019年 平成30年度品川区みどりの顕彰 緑化賞

設計:鳳コンサルタント環境デザイン研究所

​設計主任:吉武宗平(鳳コンサルタント環境デザイン研究所)

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