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レ・ジェイド千里青山台

2021
大阪府吹田市

​四季の移ろいが出迎える住まい

 千里ニュータウン外縁部の駐車場跡地に建設された,地上8階地下1階建て152戸の分譲集合住宅のためのランドスケープである。
メインとなるのは北東角交差点に面したエントランスゾーンであり,その他,車道に面した北側沿道ゾーン,既存樹木を活用した西側沿道ゾーン,千里緑地に面した南側修景ゾーンにより構成される。
 ニュータウン開発以前からの残存緑地である「千里緑地」に隣接していることから,これと繋がり融合するランドスケープの形成を目指した。在来種を主とする多様な樹種による植栽計画により,野趣に富む緑環境の創出を図っている。
 エントランスゾーンでは,建築計画上生じる様々な高低差をデザインに活かしながら,街角や沿道に対して開いた空間とすることで,緑豊かな景観イメージを継承しつつ新たな街の景観形成を行っている。街角から風除室までのアプローチは,植栽地と階段・スロープの組み合わせによる雁行プランにより奥行き感と歩行のリズム感を生み出している。傾いた樹形の木々の組み合わせにより,緑のトンネルを通って背後の千里緑地に分け入っていくようなイメージを演出した。建築地盤面を支える約3mの擁壁は自然石小端積みによる石壁とし,同仕上げの植栽桝や腰壁と組み合わせて圧迫感を軽減しながら,人々を自然にエントランスへと導くようにデザインした。
 北側沿道ゾーンは,在来種中心の多種による混植として,季節変化に富む歩道景観を提供している。西側沿道ゾーンは既存の桜の木を保存し,隣接する集会場からの景観として活かしている。南側修景ゾーンは,千里緑地の景観をダイレクトに取り込みつつ,その前面に専用庭に対する緑修景と,コンクリートブロック擁壁への木質素材による修景を施している。
 設計者が定期的に訪れてアドバイスを行いながら,契約造園者だけでなく管理会社による日常的な手入れも行うことによって,良好な植栽の維持管理に努めている。

掲載:近代建築2022年1月号

   日本造園学会ランドスケープ作品選集2024No.17

設計:鳳コンサルタント環境デザイン研究所

​設計主任:吉武宗平(鳳コンサルタント環境デザイン研究所)

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